幼馴染みがイケメンである確率は実際のところ何パーセントなんだろうか。 ましてや頭がめちゃくちゃ良かったり部活のエースだったりする確率はどれだけのものだろうか。
「ねぇ、マックス。」
「それ、遠回しに僕を侮辱してない?」
「まさか。」
ハン、と鼻で笑って会話を絶ちきる。 一応私の隣にいるこいつも、イケメンの部類に掠めるのだろうがいかんせん、我が雷門にはイケメンが多すぎる。 さらに、マックスが所属しているサッカー部はまさにイケメンの温床と言うにふさわしい。
あの輝くツラを持つやつらを見慣れてしまえばそこそこのイケメンであるはずの幼馴染みも霞むってものさ。
「まあ、確かに僕自身あいつらのせいで影に回ってる感が否めないとは思ってるけどさ。」
やはりマックス自身も自覚をしているらしい。
「私はキラキラ輝くあいつらよりはあんたくらいの方が楽でいいけどね。あんなに綺麗な顔されてたら女としてのプライドこなごなだっつーのに幼馴染みだったりしたら絶対死んでるわ。」
「名前自虐入ってるよねそれ。」
「まあね。」
そりゃ私はふっつーの女の子ですから。 中途半田女体化じゃねーのレベルでふっつーの女の子ですから。
ていうか
「ぶっちゃけマックスが幼馴染みな時点ですでに何回か心おれかけてるっての。」
「え」
「マックスもイケメンだからね。普通なら関わったりできないレベルでしょ」
「え、え」
なぜかどきまぎし始めるマックスに疑問を覚えつつ私はそっぽを向く。 自分で言ってて恥ずかしくなった。 べた褒めじゃないか。私らしくない。
それなりに頬が赤くなっている自覚もある。
「ちょ、待って、名前それもっかい、」
「嫌。」
これは予想以上に恥ずかしいことになった。 心なしかマックスも顔がほんのり染まっているように見える。
まてまて、どこの少女漫画だこれは。
「・・・二人の世界のところ悪いけどさ、いちゃつくなら帰ってくれないか?」
「「いちゃついてないから!」」
半田の声で我にかえってつっこむ。 うん、忘れてた。
ここ、半田の部屋だったわ。
(親友以上、恋人未満、)
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